弊社も同じ気持ちです!! CBcloud「質の高い仕事をする配送ドライバーが、高い収入を得られるように」
弊社も同じ気持ちです‼️
以下、参照記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/eade8940870dcf5d3ad87306610a5bbb25ff7b71?page=1
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私たちの生活は、物流を支える配送ドライバーたちがいてこそ成り立っている。しかし、物流業界には非効率な部分が多く、配送ドライバーの平均所得は全産業の平均より低いのが現状だ。この状況をITの力で変えているのが、2013年設立のベンチャー企業・CBcloud〔株〕。航空管制官出身という異色の創業CEO・松本隆一氏に話を聞いた。
配送ドライバーの現場を知っているからこそのサービス設計
――御社はPickGoやSmaRyuというサービスを展開しています。PickGoは、配送ドライバーと荷主をマッチングするサービスですね。 【松本】 2016年のサービス開始以来、軽貨物自動車のフリーランス(個人事業主)ドライバーと荷主とのマッチングプラットフォームとして成長してきました。現在、全国1万5,000名以上のフリーランスドライバーに登録していただいています。 今年2月には、「PickGo一般貨物」というサービスも、まずは関東エリアから始めました。これは、2tトラックや4tトラックなど、一般貨物自動車の運送事業者と荷主とをマッチングするプラットフォームです。軽貨物自動車だけでなく、一般貨物自動車にもサービスを拡大したことで、すべてのタイプの貨物自動車とのマッチングが可能になりました。
――配送ドライバーと荷主とのマッチングプラットフォームは他社も運営しています。PickGoの特長はなんでしょうか?
【松本】 マッチング率が99.2%と高く、しかも、56秒以内という短時間でマッチングできるので、緊急の仕事にも対応できることです。登録ドライバーの数が多いからこそ実現できています。 ちなみに、軽貨物自動車のフリーランスドライバーの協同組合である赤帽の登録ドライバー数は約1万1,000名で、PickGoの登録ドライバーのほうが多くなっています。
――なぜ、それほど多くのフリーランスドライバーに登録してもらうことができているのですか?
【松本】 当社はもともと運送業者で、そこからベンチャーに転身したんです。ですから、配送ドライバーの立場に立ったサービス設計ができています。 例えば、配送ドライバーが荷主の依頼を早い者勝ちで受注するのではなく、複数の配送ドライバーがエントリーできるようにしています。すると、荷主は配送ドライバーの評価を見て、どの配送ドライバーに発注するかを決められます。配送ドライバーの側から見れば、日々の仕事の質を高めるほど、荷主に選ばれやすくなる。つまり、努力をすれば稼げるようになっているわけです。 質の高い仕事をする配送ドライバーの収入を高くすることは、当社がずっと取り組んでいるテーマで、中にはPickGoで月に100万円以上の収入を得ている配送ドライバーもいます。フリーランスなので自分で仕事を取る必要がありますが、PickGoに登録することで、自分で営業活動をする必要がなくなったという方も多くいます。 また、〔株〕三井住友銀行、ウェルネット〔株〕の決済サービスを使って、仕事を終えたら即日入金できるようにしています。配送ドライバーの仕事は、ガソリン代や駐車場代、高速道路料金など、先に出ていく経費が多いので、キャッシュフローをよくするためです。
――配送ドライバーの評価というのは、荷主がつけるのですか?
【松本】 それだけでなく、GPSの情報やドライバーからの報告から、決められたワークフローに従っているかなどを自動で判断したりして、当社が独自に開発したアルゴリズムで総合的に評価しています。
――配送ドライバーの募集方法は?
【松本】 今は配送ドライバーのほとんどがスマホを使って仕事をしていますから、ネット広告も出していますし、紹介制度もあります。また、新たに配送ドライバーになるハードルを下げるために、当社が車両をリースするサービスも行なっています。
――次に、SmaRyuについてお聞きします。今年3月に公開されたサービスで、宅配業者向けのSmaRyu Postと運送業者向けのSmaRyu Truckがありますね。
【松本】 宅配業者にとって大きな課題は人手不足です。そのため、当社に宅配を手伝ってほしいというお話をいただいたのですが、宅配の現状はドライバーの価値を上げるものになっていないと感じました。ラミネート加工された住宅地図に赤ペンで配達先をマークしてルートを描くなど、アナログで属人的なんです。これでは若者も定着せず、人手不足の問題が解消されません。 そこで、宅配の効率を上げるためのSaaSとして開発したのがSmaRyu Postです。大手宅配業者のドライバーが持っている端末には荷物をトレースする機能くらいしかないのですが、SumaRyu Postはドライバーのスマホにインストールするだけで、それに加えて、配送ルートを自動で作成したり、車内での荷積みの位置を自動で指定したりすることができ、ドライバーの仕事をサポートします。既にASKUL LOGIST〔株〕などに採用していただいています。 SmaRyu Truckは、運送業者ではいまだに電話や紙ベースでの業務が多いので、それを効率化するためのSaaSです。社内情報の連携や若い社員の教育、定着のために必要だという声をいただいて、開発しました。 ひと言で言えば管理業務をウェブで完結させられるサービスで、配送指示、配車表の作成、配送情報の管理、請求書の作成などが行なえます。個々の業務ができるサービスは従来もありましたが、これらを一貫して行なえるのがSmaRyu Truckの特長です。また、運送業界は多重構造になっているので、協力会社の車両まで管理できるのも大きな特長です。
――政府が「働き方改革」を掲げていますが、運送業界でも業務を効率化しようという動きがある?
【松本】 人手不足が続く中で、1~2年前からその動きが強くなっているように感じます。 ――今は事業拡大に良いタイミング? 【松本】 タイミングという意味では、配送ドライバーがスマホを持つようになったことが大きな追い風になっていますね。PickGoもSmaRyuもスマホを使ったサービスですから。
――新型コロナウイルスの流行の影響は?
【松本】 スーパーへの商品の配送や、一時はトイレットペーパーなどの紙製品の配送で、緊急の仕事が増えました。一方で、定期的にあった仕事には減っているものもあります。
――4月27日に、1都3県と愛知県、大阪府、福岡県で「PickGo 買い物代行」というサービスを新たに始めましたね。
【松本】 PickGoの登録ドライバーが、ユーザーに代わって、スーパーやドラッグストアなど、最大3店舗での買い物を代行し、宅配するサービスです。 5月14日には、店舗側が「PickGo 買い物代行」内に店舗情報や商品情報を登録できるアプリもリリースしました。 店舗にとっては、営業自粛や営業時間の短縮を余儀なくされている中で、自前でECを始めることなく、ノーリスクで通信販売を始められるので、喜んでいただけています。
――新型コロナウイルスの流行が終息しても、「PickGo 買い物代行」は続ける?(取材は4月30日に行なった)
【松本】 そう考えています。
ドライバーの価値を可視化していきたい
――御社を起業した経緯についてもお聞きしたいと思います。なぜ、運送業界をITで変えようと考えたのでしょうか?
【松本】 もともと関心があったのは空の世界で、高校卒業後は航空保安大学校に進学し、国土交通省に入省して、航空管制官として羽田空港で働いていました。そのとき、運送業者を経営する、まだ結婚する前の妻の父と出会ったんです。 義父は、もとはクルマの整備や販売をしていたのですが、冷凍軽貨物自動車を作って販売するようになり、さらに、それを購入した顧客のために配送の仕事の手配もするようになっていました。その業務はすべて、電話や紙ベースのアナログなものだったので、私がプログラミングをして運行管理システムを作ったんです。SmaRyu Truckの前身のようなものですね。プログラミングは、高校生のときに、父がやっていた事業の課題を解決するため、独学で修得していました。 それで、義父に「一緒に物流をやろう」と言われるようになり、それほど必要としてくれていることに感激して、国交省を辞めることを決意しました。ところが、その翌月、義父が亡くなってしまいました。
――それで、会社を引き継いだのですね。
【松本】 当時、私は25~26歳。会社を存続させるために営業に回ったのですが、運送業の経験がほとんどない若者は相手にされませんでした。 そこで考えたのが、自分で作った運行管理システムを新聞に取り上げてもらうことです。各新聞社に飛び込み営業をした結果、ある新聞に取り上げていただくことができ、それによって営業先に話を聞いてもらえるようになりました。
――そのまま義父の会社を続けるのではなく、ベンチャーを立ち上げた理由は?
【松本】 新聞記事を見て、投資をしていただける方が現れたんです。それで調べてみると、日本の軽貨物自動車の台数はタクシーと同じくらいありました。当時、会社には50名ほどのドライバーがいたのですが、その50名ほどだけでなく、日本全国のフリーランスドライバーの役に立つ仕事をしたいと思い、当社を設立することにしました。
――新たに会社を設立すると、社員を集める必要もあったと思います。 【松本】 1人目は、航空管制官をしていた国交省の同期に入社してもらいました。2年間、寮で一緒だった人です。2人目は、中学校・高校の同期のエンジニア。運送業界から入社した人は少ないですね。 起業するときには友人や知人に声をかけるケースが多いと思うのですが、私の場合、航空保安大学校の同期は20名くらいしかいませんし、人集めには苦労しました。
――ちなみに、航空管制官の経験は運送業や御社での仕事に活きるのでしょうか?
【松本】 飛行機は空で、トラックは陸ですよね……直接活きることは、あまりないかもしれません。ただ、体育会系でウェットな世界だというのは共通していますね。また、羽田空港の管制官は、リカバリープランも持ちながら、同時に20機ほどとやり取りをしなければならず、決断力が求められます。それは今の経営や事業作りに活きていると思います。
――創業してすぐに事業は軌道に乗りましたか?
【松本】 地道に営業活動をしたり、メディアに取り上げていただいたりして、徐々にサービスを受け入れていただける企業が増えていきました。 昨年には佐川急便〔株〕と資本・業務提携を結ぶこともできました。当社が得意とする緊急の配送で、佐川急便をサポートしています。佐川急便がベンチャーに出資するのは当社が初めてです。 大きかったのは、もともと我々が実際に物流事業をしていたことだと思います。それが、営業先の方々に心を開いていただけるポイントになりました。現場を知っているからこその機能がプロダクトの細かいところに反映されていることが、高く評価されていると感じます。
――運送業界から入社した社員は少ないということですが、そうすると、配送ドライバーの現場を知らない社員が多くなるのでは?
【松本】 そうならないように、今は新型コロナウイルスの影響でできていませんが、配送ドライバーと同乗する研修もしていますし、プロダクトの機能を開発するエンジニアには必ず現場を体験してもらっています。
――社員数が増えると、マネジメントも大変になると思います。
【松本】 ベンチャーを選ぶ大きな理由は「成長したい」ということだと思います。ですから、そのモチベーションを阻害しないこと、個人が成長しやすい組織にすることを意識しています。例えば、「PickGo 買い物代行」のプロジェクトには、新卒2年目の社員にも入ってもらい、各所との調整などをしてもらいました。そうした成長の機会を多く用意するようにしています。
――最後に、これからの取り組みについて教えてください。
【松本】 運送業界は多重構造になっているため、質の良い仕事をしているのに収入を上げられない配送ドライバーが多くいます。その状況を改善し、質の良い仕事をしている配送ドライバーが自分で仕事を受けて、収入を高めていけるようにすることを、当社は目指してきました。これは、これからも続けていきます。 それとともに、世の中が配送ドライバーに貼っているレッテルをはがしたいとも考えています。そのためには、配送ドライバーが提供している価値を可視化することが必要だと思います。「PickGo 買い物代行」は、そのための施策の一つです。他にも様々な方法が考えられるでしょう。
――PickGoやSmaRyuと同様のサービスを展開する他社、あるいは、これから参入してくるかもしれない他社については、どう見ていますか?
【松本】 まず、当社と他社では思想が違うと思います。当社が目指すのは、配送ドライバーの価値を上げることです。努力している配送ドライバーが稼げるようにすることが、当社のサービスの目的です。 また、当社のサービスの中には配送ドライバーの評価が既に多く蓄積されていますから、荷主やユーザーに安心感を持って利用していただけると思います。